第72章 能楽
「主!?大丈夫ですか!」
「ああ、派手にやったね。主ちゃん早く着替えないと!」
「…大丈夫か?」
騒ぎを聞き付けて、向こうに居た奴等も走ってくる。
長谷部がハンカチで大将の顔を拭いているが、足りないな。
「うぇ‥冷たいし、しょっぱい。」
「主殿、帰りましょう?お風邪を召されますよ。」
「そうだぜ、大将。早く着替えに戻った方が良い。」
上着の裾をぎゅっと搾ってから、首を振る。
「皆は図書館へ行ってくると良いよ。一期、図書館への道は解るよね?私と薬研は着替えに戻るから道案内お願い。」
あと、鶴丸を見張ってて。
雪玉を転がしながら走ってくる鶴丸の旦那を指差した。