第62章 アールグレイ
「勿論だよ。一期には今回だけじゃなくて、いつもお世話になってるよね。粟田口の皆の手合わせとかさ。一期がうちの本丸に居てくれて、粟田口の皆が嬉しい様に、私も嬉しいんだよ。いつもいっぱいありがとう。これ、貰って下さい。一期、大好きだよ!」
差し出された包みと一緒に主殿の手を取る。
「主殿…ありがとうございます。とても嬉しいです。‥もう一つ、恥を承知でお願いをしても宜しいですか?」
「ん?何かな?」
「私も、主殿のお名前を知りたいのですが‥いけませんか?」
ふふ、と笑いながらって言うの、と返してくれる。