第1章 主と一緒
「これ、長谷部に!」
「俺に…ですか???」
満面の笑みとはこういう顔なんだろうな、と思いながら手渡された紙袋に目を落とす。
「一月十八日は、118で、118番の長谷部の日って朝知ったの。一週間も過ぎてるし、急いで探しに来たんだよ。今朝、みっちゃんや一期に相談したけど、結局決まらなくて‥ちょっと待たせちゃったよね、ごめんね?」
「…開けてみても?」
勿論!と頷く主。
「これは…懐中時計ですか?」
金色に、紫と紺で描かれた藤の花が目を引く。
「長谷部が嫌じゃなかったら、お守りと一緒に持っていてくれたら嬉しい。」
照れながら言う主を見ていたら、こちらまで思わず桜でも舞わせてしまいそうな気持ちになった。