第5章 シュレディンガーの猫
「太郎太刀殿や江雪殿は意外にも喜んでおられましたよ?部屋にそっと猫を置いてきた時に、大倶利伽羅殿と似たような反応をされましたしね。ふふ。」
まさか、あの時こいつも居たのか?
くそ、うちの驚き担当は何人居るんだ?顕現された刀は鍛刀した主に似るらしいが、全く…
「悪くは…ない。」
「ふふ、それはよかった。」
刀の時には解らなかった事、感じなかった事。人の身とは不思議だな。
一期一振が俺の膝に乗せた猫が、俺のに頭を擦り付けて撫でろとせがむように喉を鳴らす。
「…温かいな。」
「そうですね、とても癒されますな。」