第5章 シュレディンガーの猫
まさか、あれを見られていただと!?
くそっ、猫を撫でるのに夢中で全く気付かなかった…こいつ、いつから見てたんだ?
「おまえか、俺の部屋にそいつ連れてきたのは!?」
「お前はもふだな、もふ太…もふもふ、とか言って可愛がってくれてたじゃん!オマエモナーだよ!はぁ、伽羅ちゃん可愛いよ伽羅ちゃん!」
「ちっ…」
笑いながら傍に寄ってくれば、ごめんね、ありがとうと言いながら俺を撫でてきた。
はぁ‥こいつはいつもそうだ、何かにつけては俺を巻き込もうとする。閉じ籠って他から離れようもんなら、抉じ開けてでも入ってくる。
まったく、油断も隙も無いな…