第37章 鍵②
「三日月はいつから知ってたの?」
「いつ…と、言われてもなぁ。最初からか?常に思っていたと言えばよいのか、よく解らん。」
はっはっは、といつものようにあっけらかんとした笑みを見せて続ける。
「いつも何かが足りない気がして居た。それが、前に主が政府からの使者、こんのすけと言ったか?あれと話しているのを見てな、刀に戻る前のあやつの言葉をはっきりと思い出したんだ。“わたくしは主様が大好きです。そんな主様が泣かれるのはもう嫌なんです。変わる前と後、唯一繋がりを持つ貴方に鍵を渡しましょう。主様がいつかまた、今を懐かしむようになった時、話をして下さい。それが出来た時、全ての記憶を戻すと約束します。”とな。」