第36章 鍵①
「あれ…三日月?おはよう。こんなとこで何してるの?大丈夫?寒くない?」
今度は主か‥今日は皆早起きなのだな。
俺の両肩に手を置いてひょっこり顔を出した主が、耳が赤いよ?と言いながら俺の耳を塞ぐ。
「ふふ‥俺はじじいだからな、早起きしてしまったよ。ははは。主はどうした?今日は早いんだな?」
「うん…何だか色んな夢を見たみたいなんだけど、あんまり覚えてないんだぁ。」
俺の横に腰をおろして、膝を抱えた主の息が白く消えた。
「真っ白だね、また積もるかな‥」
「ふむ、どうだろうな。…主、鼻が赤いぞ。寒いか?」