第33章 次元の狭間
時空の歪みが酷い。
辺りに漂っていた血と、何かの焦げたような臭いが更にキツさを増す。
「長谷部君!そんな奴放って、早くこっちに!!!急いで、早くっ!」
「もういい!さっさと行け!主には必ず帰ると……」
ブツッ――――――
…何だ?
ここは一体‥?
真っ暗だ。
何一つ音がしない。
俺は死んだのか…?
あいつ達は無事なんだろうか。
何も無い暗闇に足を進める。進んでいるのか止まっているのか解らなくなるその黒の中を行く。
…‥
…
ここはどこなんだ?
どこまで続いてるんだ?
先は無い、いや、あるのか?何も無い黒だけの世界だ。
ここは‥
俺はどうなったんだ?