第33章 次元の狭間
血の臭い、目の前を塞ぐ土埃、何処かで火の手が上がったか?
焦げるような嫌な臭いがする。不味いな、こんな場所で火事でもあれば一気に広まってしまうだろう。それこそ歴史改編に繋がり兼ねない。
「いい、早く行け!!!!」
「そんな!?何を馬鹿な事言ってるんだ!君を置いてなんて行けるわけが無いだろっ!!」
重傷者が半数、中傷している者も疲労が激しい、限界だ、早くしないと破壊されてしまう!
「ここでまともに動けるのは俺だけだ、死ななきゃやすい!後はこいつ一匹、何とでもなる!早く撤退しろ!!」
「ダメだよ!こんなの!…主ちゃんはどうするんだ!?」
「主っ……しかし、何かがおかしいんだ、いいから、早く行け!!!」