第19章 湯殿
「これは薔薇の花弁だねぇ!雅だねって、歌仙が喜びそう。薔薇の花弁って、みっちゃんや蜂須賀さんとかが…ふふ、だめだ、想像したら似合いすぎて笑える。」
「うん……そう、だね。」
くすくす笑うと、水面にふわふわと浮いていた花びらを手繰り寄せる。
うっすら赤くなった頬や肩、髪から首筋に垂れたお湯が光る。
手拭いを胸に留める桃色の指に、花びらを手繰る度に見える脇がお湯の波紋で歪んだ。
「あ、乱ちゃん、見て見て?こっちにもたくさんあるよ!」
後ろを向いたあるじさんの白い項と、思ってたよりも凄く小さな背中。その全部から目が離せない。
ねぇ、あるじさん、ボクどうしちゃったのかな?今、凄くドキドキしてるんだよ‥