第19章 湯殿
先に湯船に浸かっていると、かけ湯をしたあるじさんが、タオルを椅子に置いて手拭いで前を隠しながら入ってきた。白い腰が見えて、ドキッとする。
うわぁ、まずい。なんか…うん、これはよくないよね。
「乱れちゃん、さっきのお湯に入れてみて!」
「え…え?あぁ!うん!待って、今入れてみる。」
お湯に浸けると、シュウッと音がする。それと同時にフワッと広がる甘い香り。これはお店で嗅いだのと同じだね。
「綺麗なピンク!…あ、花びら!」
「うわ、消えてく!花びらも!!これ、この花の香り?」
桃色に染まったお湯から浮かぶ花びらと甘い花の香り。あんな丸い塊がこんな綺麗になるなんて‥本当に驚いちゃったよ!あるじさんの時代には面白い物が沢山あるんだね!