第19章 湯殿
手拭いを腰に巻いて、髪を一つに纏める。洗い場に入って外の露天風呂の方にも目をやったけど、まだあるじさんは来てないみたい。
椅子に座って、かけ湯をしていると、カラカラと扉の開いた音がした気がした。
「わ、乱ちゃん‥男の子みたい!!」
「だから、ボク男なんだってば!さっきも言ったじゃん、もうっ!」
後ろから掛けられた声に振り向くと、まじまじと見てくるあるじさんの姿があった。
「どうしたの、そんなにじろじろ見て…ボクと乱れたいの?」
「や、違っ!あの、ごめんなさい!」
はぁ、そんなに赤くなられるとこっちのが恥ずかしくなってくるんですけどっ!
あーもう、なんか調子狂っちゃうなぁ‥こんなんじゃ変に意識しちゃうよ。