第94章 今を生きる
扉を開くと、四畳程の広さの物置になっていて、俺や兄弟が着れそうな物から石切丸さんや岩融さんくらいの人でも着られそうな大きさの沢山の服が掛けてある。そして何より目を引いたのが、天井から降りる階段だ。
「本当にあった!燭台切さんや鶴丸さんの言った通りなんだぞ!」
細い手摺りに掴まって、そっと階段を上る。
「あ、そっちの本棚に陣形や戦術についての本全部移してくれる?」
「はい。……主、これは?」
「ん?何かあった?」
階段を上がっていくに連れて聞こえてくる話し声で、二人が居るのが解る。何の話をしてるのかな?どうも何かの整理をしてるみたいだけど、途切れ途切れで何だか解らないんだぞ。
「よっ‥と。」
そっと上り口から目から上だけを出して天井裏を見回すと、思った以上に広いそこには、本棚や何かの入った箱が所狭しと並んでいた。