第94章 今を生きる
「一緒に?そっか、ありがとう。じゃあ…ほら、おいで?」
自分の隣をぽんぽんと叩いた燭台切さんが、水筒から蓋の器へお茶を注ぐ。
「はい、どうぞ?熱いから気を付けてね。」
「ありがとうなんだぞ!あ、よかったらこのお菓子もあげる。主が作ったって鯰尾兄さんが言ってたんだ。」
受け取った器からお茶のいい香りがする。鞄からお菓子を取り出して渡せば、燭台切さんがありがとうと言って手元に目を落とす。そういえばさっきの小狐丸さんから貰った包みって何だったんだろ?
「ふふ、これは主ちゃんが昨日作ってた物だね。…こっちもそうだ。うちのえんどう豆を使ったものだね。」
燭台切さんが小さな包みを開くと、緑色の一口程のぼた餅があった。これがえんどう豆なのか?