第94章 今を生きる
「腕相撲?いいんだぞ。けど、なんでだ?」
出された手に手を重ねる。ぎゅっと握られた手に目をやって青江さんを見上げると、怪しげに微笑む。
「いつだったかなぁ、主が長谷部君をギャフンと言わせたいと言ってきた事があったんだよ。」
「ぎゃふん??」
「ギャフンと言うか、うーん…黙らせたい?」
「はぁ?余計解らないんだぞ!」
「燭台切君は主をめいいっぱい甘やかすのに対して、長谷部君は心配性というか世話焼きというか…とにかく、長谷部君に勝つ方法が無いかって相談されたんだよ。」
勝つ方法…って、今の長谷部さんを見てれば勝つも何も、主が言えば何でもいう事聞きそうな感じがするけど違うのか?
「例えばこれさ、腕相撲。包丁君、君ならどうやって僕に勝つ?」