第94章 今を生きる

「結論から言うと、主は僕を嫌ってなんかいなかった。手入れしてくれる時に久し振りに話して、言われたんだよね。どう接すればいいか悩んでたって。」

「悩んでた？俺達みたいに普通に接っすればいいだけなんだぞ！」

「というか、あの主が接し方で悩んでいたって事の方が俺は驚いたな。」

思い立ったら即行動って感じだと思ってたぜ！と笑う獅子王さんに、青江さんが今はね？と頷いてみせる。

「主はね、どうも僕が一線を引いていると思ってたみたいなんだ。どことなく達観してる感じがあって上手く掴めなかったって言ってたよ。だから、どうやって僕と仲良くするかを考えてウジウジしてたと言われた時には、開いた口が塞がらなかった。誰かと誰かの仲を取り持つのは躊躇しないくせにね…ふふ。」