第94章 今を生きる
「それがある時、久し振りに戦場へ出た時にちょっとしくじってしまってねぇ…ほら、蜂須賀君と一緒に初めて京都市中の夜戦に出た時だよ。あんな高速の槍が居ると思わなくて油断してたんだ。」
「初めての…あぁ、そんな事もあったな。」
高速槍は俺も大嫌いだ。会ったら真っ先に修行へ行ってない俺達を狙ってくるんだぞ!それでも極が沢山居る今では予防出来るけど、前はもっと大変だっただろうな。
「…それから撤退を余儀無くされて、ここに戻った。重傷で帰った僕を見て、主が血相変えて走ってきたのには驚いたよ。服が血で汚れるって言っても聞かないでさ。他の皆と一緒になって手入れ部屋へ僕を運んでくれた。普通、嫌いな奴が怪我したって問題ないと思うだろ?だから凄く驚いたんだよ。」