第94章 今を生きる
「僕がこの本丸に来たのは、骨喰君や浦島君が前線に立っていた頃だったかな…あの頃は鯰尾君や堀川君達と遠征に出される事が殆どだった。だからね、僕はあまり主に好かれてないと思ってたんだ。」
「そうか?青江が来てから俺何回か様子を聞かれたぞ?」
「うん、私もだよ。」
「俺も君と遠征に行くと、決まって様子を聞かれたよ?」
それは初耳だね、と嬉しそうに小さく笑って続ける。
「この本丸では鍛練を積んで、特が付くまでは遠征には出さないだろ?だから手入れをしてもらった時や、会えばちょくちょく話をしたんだよ最初はね。それが遠征に行くようになってからぱたりと止んだ。それで、これはやっぱり嫌われてるんだなと思うようになった。」
意外だな、今はそんな事微塵も感じないんだぞ。