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うちの本丸【刀剣乱舞】

第93章 白妙


「あぁ、俺はずっと主を見ていたからな。…審神者が鍛刀した者は、戦場から来た者よりも特別な感情が宿りやすい様に思える。それは知っているだろ?」

こくりと頷くと、空になった俺の猪口に酒を注ぎながら、話を続ける。

「これは昼に燭台切にも言ったんだがなぁ、主を特別に想う付喪神が鍛刀した刀、しかも二回もだ。その刀はどうなると思う?」

「どう、とは‥?」

妖艶に揺れる三日月の瞳の色に吸い込まれそうだ。これが天下五剣か…月明かりの下で恐ろしい程に美しく笑った三日月が、舞う桜の花弁を目で追いながら呟いた。

「俺も主を好いておる。」

ぶわっと舞い上がった桜の花弁に、歓声が上がる。嬉しそうな短刀の声が遠くに聞こえた気がして、ぼーっと三日月を凝視していた事に今更気付く。
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