第93章 白妙

「ま、そーゆうわけで、ここはひとつ、主はんに免じて仲良うしましょか？」

握手や握手ぅ、と差し出された手を握る。

「ふっ、主に免じてな。だが、働かない場合は容赦しないからな、覚えておけよ？」

蛍丸がらみなら、と何時ものお決まりの台詞を吐いて笑うと、桜を見上げる。

「あ…そや、伝言があるんやった。な、愛染、主はん何て言うてた？」

「もう忘れたのかよ！来派の“ら”って言ってたぜ？ちゃーんと伝えたからなっ！」

今までの伝言は“の、さ、白い”そして“ら”……何だ？

「それから、次は小烏丸の所へ行こうかなぁって言ってたよねー！小烏丸ってどこ？三条の所かな？」

「そうか、助かった。帰るまでゆっくりしてくれ。」

「いーですなあ、働かない時間。最高ですわ。」

そう言うと、またごろっと横になった明石が手を振った。