第93章 白妙
「う…それは、すまない。」
俺なら、他の奴の事を永遠と聞かされるのは余り良い気はしないな。ただの嫉妬だと言われればそれまでだが。
「でもな、あんただけやなくて蛍丸や愛染の事もぎょうさん話していったんですわ。なんや、けったいな主はんやと思ったら意外と色んな事見とるし、悪ないなぁ。」
「…?」
のっそり起き上がった明石が、胡坐をかいて髪を掻き上げる。
「自分がここへ来る前にどんな事があってどれだけ頑張っただとか、二人が何度も自分を探しに行ってただとか、絶対に本人達からは聞けない事を聞いたんですわ。」
「良く覚えてるよねぇ〜」
「俺達の出陣やらなんやら、全部記録してあるらしいぜ?」
主の戦績記録は近侍になると見る機会があるが、確かに事細かに書かれていたな。