第93章 白妙

「同田貫、どうした？」

「なぁ、あいつ何とかしてくれよ。主がさっき来て何かしてったんだが、そっからあーなんだ。」

同田貫の指差す方を見れば、不動が膝を抱えたまま横になっている。なんだ？また飲み過ぎか？

「不動、お前また‥」

「なぁ長谷部、お前は何であの審神者に懐いたんだ？主だから仕方なくか？ひっく…」

「は？」

傍に膝を付いた俺を一瞥して目を伏せる。主、次は何をしたんですか…

「あいつ、こんな酔っぱらいのダメ刀相手にして、何が楽しくて笑ってんだろな。‥それに何を調べてきたのか、俺の鍔にある菊の話や信長様の好きだった小唄も知ってた。」

大切に想ってるんだよ、君が必要で大好きなんだよ。と、言った時の主の顔が頭に浮かぶ。