第89章 夢路
「今飲んでるのはこれ。こっちに入ってる可愛らしい青いのや、黄色いのはもう効かないの。」
処方して貰ったけど相性が悪かったり効かなくなったりってのがあって…と、順番に指でなぞる。こっちの銀のがセパゾン、水色がメレックス、その銀のがデパス、隣のがワイパックス。
「…効かなくなる?薬なのにか?」
「身体が慣れちゃうの。で、今飲んでるのが、この金のレキソタンてのと、銀のセニラン。両方ブロマゼパムって同じ薬なんだけどね。」
もうこの薬もあんまり効かないんだぁ、と銀の薬をカシャカシャ振る。
「こっちにいると、どうしても薬の量が増えちゃうの。お医者さんには、依存性や薬を辞めた時の離脱症状があるからとか、なんたらかんたら言ってたけど、もう死んでも良いかなって思ってたし‥」
は?こいつは何を言ってる?カチッと薬を取り出し、口に持って行く手を掴んだ。