第86章 来歴
「ちゃん、今良いかな、入るよ?」
へし切長谷部について調べていた手を止める。みっちゃんだ、何かな?
「良いよ、どうしたの?」
「これ、差し入れ。どう?何か思い付いた?」
お盆に乗せられたココアと、一口サイズのホットケーキを受け取る。
「ありがとぉ。昨日、鶴丸からは何て聞いてるの?」
「ん?今月末に長谷部を驚かせるから黙ってろよ!って、いつもの調子でさ。」
長谷部君の国宝指定日なんだってね?と、鶴丸の真似をしたみっちゃんがにっこり笑う。
みっちゃん達も何か考えてるのかな?もしケーキを作るって言ったら、きっと手伝ってくれるよね…
ココアのカップに口を付けて、ぼーっとそんな事を思う。
「‥ちゃん?おーい?」
目の前をひらひら動く手に、ハッとする。