第86章 来歴
へし切長谷部、織田信長にまつわる名刀。
作者は南北朝時代の刀工、長谷部国重と伝えられている。
長さは64.8㎝、反りは0.9㎝。この刀の外見的特徴は、刃紋が刀身全体に見られ、鎬や峰にまで焼き入れを行う皆焼刀となっている。
皆焼は非常に難しい加工方で、刀の品質を落としてしまうリスクが常に有るので失敗は出来ない。その為、国重は名工である村正に学んだとされる皆焼の技術で迫力のある刃紋をつける事に成功した。
無礼を働いた茶坊主、観内を信長が切り捨てようとしたが、棚の下へ逃げ隠れてしまい、刀を振りかざす事が出来ない。そこで、御膳棚に押し当てたところ、大した力を入れず茶坊主ごと斬ってしまったという。
つまり、刀身を当てて圧し斬ったことから、その名があるという。
1953年3月31日に国宝指定。