第85章 暦
「で?あんた、今日はどうするんだ。」
「本丸の子達とお話して、任務やこれからの予定を決めないと。あとお偉いさんに復旧の進捗具合を聞かないといけないよね。」
本当、そろそろ帰してもらわないと色々辛い…餌を置いて、そう呟くと、頭を擦り付けてきた猫を撫で、抱き上げて膝に乗せる。
こちらへ来て大分経つからな。国永や光忠はそれなりに楽しんでいる様だが、粟田口の二人はまた兄弟の誰かが修行へ行くかもしれないと聞いて落ち着かない様子だった。
「…本丸の奴等、きっとあんたを待ってるぞ。留守の間に人数も増えたろ?」
「うん。小烏丸、源氏兄弟に、蛍丸、後藤君、信濃君、不動に明石と物吉君。‥皆待っててくれたら嬉しいな。」
猫部屋の扉に寄りかっていた俺を見上げて、一緒に帰ろうね!と言う。
その言葉に頷くと、満足そうに笑った。