【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第14章 証明
突然目の前が真っ暗になったように錯覚が陥る。…兄さんが笠松さんに頼んだんだ…
嬉しさなのか悲しさなのかわからない衝撃が走った。
赤司「…確かな情報なのか?」
青峰「今吉の情報だからな、信憑性は高い。」
赤司「鉄壁の海常か…厄介だな。」
笠松さん…あんなに帝国を警戒してたのに、私のせいで危険な真似をするということだ。
赤司「目的は#NAME1#か?」
青峰「あぁ、なぜかはしらねぇがとんでもねぇ自信だぜ?」
…あんなに誠凛に帰ることを望んでいたはずなのに、なぜか今は帰りたくないという気持ちも少なからずある…
青峰「だから提案に来た。」
貴女「?」
ずっと赤司君を見ていた青峰君の目がすっと私を流し見る。
青峰「王女を誠凛に帰して海常の動きを探れ。」
貴女「えっ…」
赤司「……なんだと?」
思っても見なかった提案に私は唖然とし、赤司君は目を剥いた。
青峰「南で権力の高い海常の強さが分からねぇ以上正面から戦うのは危険だ。たとえ秀徳や桐皇の力を借りたとしても、そのことを考えた上で笠松が動いてるってことだろ。」
赤司「だから#NAME1#を帰せと?」
青峰「そうだ。海常の目的が王女ならば、帰せば奴らに隙ができる。そこを叩けば…」
赤司「駄目だ!」
青峰君を断ち切る鋭い声が、室内に響く。らしくない怒りに満ちた声だった。
赤司「帰れ、大輝。これ以上はもう無用だ、出て行け。」
青峰「おい、冷静になれよ赤司。これが成功すればお前の欲しがっていた海常が手に入るかもしれねぇんだぞ。」
赤司「黙れ!…帰さない。何を言われようが#NAME1#は絶対に帰さない。」
赤司君は頑なに意思を変えようとはしない。
赤司「僕は、#NAME1#がいれば海常なんていらない。出て行け大輝、お前の言葉を聞く気はない。」
青峰「…わかった、今日のところは帰る。けど考えとけよ。」
来た時と同じく気安い調子で去っていく姿を呆然としながら見送った。