【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第13章 独占
〜黒子side〜
姫の優しさで一緒に入ろうと言ってくれた彼女に驚きと嬉しさを隠せなかったが、冷静を装い、渡された毛布をそっと被り姫を後ろから抱きしめ覆った。
黒子「嫌だったらすぐに言ってください。」
貴女「ううん…大丈夫、すごく…暖かいわ」
そうは言っているが正直姫の体温の方が温かい。後ろからではあるがおそらく彼女は顔を赤らめているだろう…
(…ズルいですよそんな態度…頑張れ、僕の理性。)
このままじゃ心臓がもたないと判断した僕は話題を変えることにした。
黒子「こんな場所に昔の帝国の書物が置かれていたんですね。帝国には長い間いましたが、初めて知りました…」
貴女「赤司君も幼いときに両親を亡くしていたのよね…赤司君の決めた君主制は理解できないけど、大切な人がいなくなったっていう気持ちは分かるわ…」
同情しているのか、姫はとても悲しい口調でそう話した。
彼女も幼いときに両親失っている…そういった面では赤司君と同じ境遇にあるということだ…
たったそれだけなのに、どうしてこんなに心に突き刺さるのか僕にはそれのほうが理解できない…
黒子「…赤司君を悪い人だとは思わなくなりましたか?」
貴女「えっ…」
つい心に思ったことを言ってしまい、ハッとしてしまった。
姫はどうしてそんなことを聞くのかというような顔をして振り向いた。
なぜか姫が一気に遠のいた気がした。物理的にはこんなにも近いのに姫の心は僕には手の届かないところに行ってしまったような感じだ。
いや、元々僕には振り向いてなんてくれなかったかもしれない…だけど、もうこの気持ちを隠さずにはいられないんです…
ものすごい消失感が正直な僕の想いを突き動かし、それは次第に行動へと変わっていった。