【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第13章 独占
もうやめましょう…これ以上は暗黙の領域だ。
貴女「…何も見てない、私は何も知らない。」
私は、血塗られた刃物を元の位置に戻した。
貴女「これで…いいわ。」
なんだか悪いことをしているようで…自然と冷や汗が流れてくる。
貴女「あ…そういえば黄瀬君の書類……キャっ!!」
私は本来の仕事を思い出し慌てて振り返ると目の前に人影が現れ、驚いた拍子に後ろへ尻餅をついた。
貴女「いったたた…」
黒子「すみません!大丈夫ですか、姫?」
突然現れた黒子君に戸惑いを隠せない私に彼は私の手を取り引き上げた。
貴女「黒子君…驚いたわ、いつからいたの?」
黒子「結構最初からいました。姫がこの部屋に入っていくのが見えてついてきたんですが、姫があまりにも熱中されていたものなので声をかけるタイミングが分かりませんでした。」
ということは、私がこの部屋で何をしていたのか一部始終に知られてしまったということだ…
貴女「…ごめんなさい、気づいてあげられなくて」
黒子「いえ、いつものことですから。それより、何をされていたのですか?」
こう全てを見られていたら、もう隠す必要はないのかと思い正直に話すことにした。
貴女「実は…黄瀬君に書物を書物庫に持っていくように言われて、この部屋だと思ったの。ここには何が置いてるのかって見ていたら写真と日記を見つけて、前皇帝が亡くなったことを知ったわ。その死因がどうしても知りたくて、他にも何かないか探していたら…」
黒子「さっきの短剣を見つけられたのですね…」
側にいたのが唯一味方の黒子君でよかった。もしそうじゃなかったら私は…
黒子「とりあえず、姫の探されている書物庫はここではないのでまずはそちらに移動しましょうか。」
黒子君にそう言われ私は頷いた。そして、部屋から出ようと扉の方へ向かった。
しかし、扉は押しても引いてもピクリともしない。
貴女「??」
黒子「姫?どうかされたんですか?」
貴女「開かない…ドアが開かないの!」
どうなっているのだろうか…ただ扉が開かないということはこの部屋に閉じ込められてしまったということだ。