【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第13章 独占
私はその日記に目を通していた。内容からしておそらく元皇帝 赤司君の父様のものだろう。相当真面目な人なのだろう、毎日欠かさずに書いている。
日記の終盤になるとより文字が多くなっている。
「12月20日 今日は征十郎の11回目の誕生日、しかしここ最近妻は甘やかせ過ぎる。こんなことでは後継は任せられない」
「4月18日 妻の病が悪化して息を引き取った。」
「6月4日 ここ最近征十郎の様子がおかしい、まるで別人になってしまったようだ。」
「10月25日 もう私には手に負えない、誰か征十郎を止めてくれ。」
「11月10日 この日記が善人の目に触れることを願う。私はどこで間違えてしまったのだろうか、だが征十郎をここまで追い込んでしまったのは私だ。どうか、征十郎が間違った道に行かないように支えてあげてくれ、それが私の最期の願いだ。」
…日記はここで終わっている。おそらくこの後亡くなったのだろう。でもどうして?元皇帝の死因が分からない…
貴女「他を当たろう…」
***
私は夢中になって他の書物を探した。しかし、それ以上詳しい情報は手に入らなかった。
貴女「…あら?」
諦めようと思ったその時、物陰から何か光る物を見つけた。それは高価そうな重たい箱だった。私は恐る恐る箱を開けた。
貴女「…っ!これって…」
中から出てきたのは茶色く汚れた布に纏われた刃物だった…間違いない、これは血だ。それもかなりの量だ…なんで、こんなところに?
私にはある憶測が思いついた。
貴女「…これは元皇帝の血かもしれない。」
…いいえ考えすぎよ。だいたいそれを裏付ける証拠はどこにもない。
…私はとんでもないものに足を踏み入れてしまったようだ。