【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第13章 独占
熱も下がり、数日が経ったある日私は黄瀬君に仕事を頼まれた。
黄瀬「姫!ちょっと頼みがあるんス!オレ今から青峰っちの買い出しに行かないといけなくて、この書類を書物庫に置いてきてくれないっスか?」
貴女「書類?いいけど…私が持っていってもいいの?」
いくら帝国の王女となったとはいえど敵国の姫だった私に書類を任せていいものなのか?
黄瀬「…?当たり前じゃないっスか!もうみんなとっくに姫のこと信頼してるっスから!」
黄瀬君はなぜそんなことを聞くのかと言わんばかりにそう言い放った。そして時計を見た彼は再び慌てて書類を私に託した。
黄瀬「じゃ頼んだっス!あっ、書物庫は5階あるっスから〜」
そう言い捨てると走り去ってしまった。
貴女「あ、ちょっと!5階の何処よー?」
(もう…人使いが荒いわね。それに私にもわかるように説明してよ…)
ただでさえこの城は広い…探すのに苦労がいりそうだ。
しかし、とっくに信頼してるという言葉が少し嬉しく感じる反面罪悪感にも繋がった。
***
私は書物庫を探して5階を彷徨っていた。すると、それらしき部屋を見つけたのだが…
貴女「紫原以外立ち入り禁止?」
いかにも書物がたくさんありそうな雰囲気が漂っている。もしかしたらここかもしれない!
紫原以外立ち入り禁止というのは気になったが私はその部屋に足を踏み入れた。
貴女「何ここ?」
その部屋は薄暗く少し肌寒い。ふと周りを見回すと私はある写真を見つけた。
貴女「これは…赤司君?」
そこに写っているのは幼少期の赤司君と両親だ。威厳のありそうな男性と優しそうな女性、その真ん中で微笑んでいる赤司君の写真に目を奪われた。
貴女「今の赤司君とはとても同一人物とはいえないわね…」
私は写真の他にも何かあるのかと探すと、分厚い手帳のようなものが目に入りそれを開いた。
貴女「ゴホッゴホッ…」
もう何年も開かれていないのだろう…中から埃が舞う。
貴女「これは…日記かしら?」
そこには色あせ焼けた紙に手書きで出来事が綴られていた。