【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第7章 変化
あの誓いから一夜明け、私には新しい部屋が与えられた。階も2つ上、6階になり客間と違って女ものの家具が置いてありいかにもプリンセスというような部屋だ。
しかしそんな部屋に移ろうが私の気分は最悪なのだ。出された食事はすべて無視をしてベッドに横になっている。
緑間「おい、いい加減に食べるのだよ。いったいいつまで食べないつもりなんだ?」
今日は朝から交代で私を説得しにいろんな人が来ているというわけだ。
貴女「食欲がないだけよ、いずれ食べるわ…」
困らせたくて困らせているわけではない、食欲がないのは本当だ。意地でも飢え死にをする気はないが相手にはそう思われてはいないようだ。
緑間「そんなことを言って永遠に食べないつもりなのだろう、まさか熱があるのか?」
貴女「……ないわ」
緑間「ならば食え」
貴女「……」
……しつこい。もとはといえば私が悪いんだけどこうまでしつこいと呆れのほうが勝ってくる。と食器に手を伸ばそうとしたが…
赤司「もういいよ真太郎、あとは僕が変わろう。」
とそこに私の食欲をなくしている原因ともあろう人が私の前に現れた。私は伸ばしかけていた手をひっこめた。
赤司「フフッ随分と手を焼かせているようだな。」
貴女「…何しに来たのよ。」
赤司「君が食していないと聞いてね、心配で見に来たんだ。」
そういうと横から伸びてきた手が、私の盆に乗っていた器を取りそれを口にした。
(せっかく今から飲もうと思っていたのに…)
嫌がらせにしては酷すぎる。目を合わせないように俯いていると唐突に顎を掴まれた。
貴女「なっ!んんっ…はっ……」
緑間「は!?」
唇に柔らかいものが重なり冷たくなったスープが注ぎ込まれた。注ぎ込んだにもかかわらず彼は私が飲み込むまで唇を離そうとはしなかった。
貴女「な、なにすんのよ!」
驚きのあまり声が裏返った。まさか口移しで飲まされるとは思わなかった。
赤司「こうでもしないと食べそうになかったからな、それにお前に死なれるわけにはいかないからな。」
この男が何を考えているか全く予想できない……私はこんな男にファーストキスをあっけなく奪われ食事すらままならない状況に追い込まれたのだ。