【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第17章 恋情
〜赤司side〜
僕は#NAME1#に事実を伝えることにした。というか、知らず知らずな間に口が開いていたと言った方が正解に近い。なぜこんなことを言おうと思ったのか僕もわからない。ただ、彼女には…赤司征十郎という人間を全て知って欲しいと願った。たとえ僕が消えることになっても…
赤司「お前も一度は会ったことがあるだろう…もう1人の僕に。」
貴女「もう1人の…赤司君?」
赤司「僕という存在が眠ればもう1人の僕が目覚める。いや、本当はもう1人の僕の方がもともとの赤司征十郎というべきだ。僕が生まれたのは母さんが死んですぐだった。完全に光を失った彼とこの僕はその時を機会に入れ替わったんだ。」
#NAME1#は驚きを隠せないという顔をしながら僕を見つめている。僕はその視線をわざと外した
赤司「それからはほとんど僕が表舞台に立ったというわけだ…信じるか?…いや、気持ち悪いと思ったか?」
再び彼女を見ると表情は思った以上に硬くはなくむしろ優しい微笑みを返した。
貴女「ううん…そんなこと思わない。だって、たとえ貴方が1人でも2人だったとしても…赤司君は赤司君でしょ?それには変わりないわ。それに…」
そういうと#NAME1#は頬を赤らめた。
貴女「私は…全てを含めて…貴方を好きになってしまったから…」
赤司「えっ?」
…聞き間違いだろうか……#NAME1#が僕を好いている…なんて…そう言った彼女は僕の胸に手を当て寄り添った。
貴女「好きよ…貴方が……私の負けね、貴方に落ちずにはいられなかった…」
赤司「…本当…なのか?」
貴女「えぇ、本当よ…この気持ちに嘘は…つけそうにないもの……」
決して聞き間違いではなかった。彼女が…今まで以上に愛しく思えた。
赤司「あぁ…もう充分だ、僕は…初めて生まれてきてよかったと思えたよ…ありがとう#NAME1#…最後に会えてよかった。」
貴女「最…後?」
赤司「僕は全てをもう1人の僕に返すことにするよ…完全な1人に戻るために…そして、お前にとって1番になれるように……お別れだ…#NAME1#……」
これでいい…僕は初めて認められたんだ、悔いはない。全てを返そう…君に…
僕は最後に目を閉じた。