【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第16章 逆襲
赤司「…今日から城内で1人になるのを控えろ。」
貴女「えっ?」
急にそんなことを言われるのだから理解するのに時間がかかった。
貴女「…何かあったの?」
赤司「心配することはない、少し盗賊が反乱を起こしているだけだ。だが念のために部屋を出た後は兵士をつけろ。」
貴女「反乱…」
あぁ、だからこんなに騒がしいのね。でもただの盗賊にしては騒ぎすぎたと思うんだけど…
…そういえば帝国にいる時間が長くなっているからすっかり忘れていた。 誠凛も反乱に失敗したんだっけ… 人の適応力ってすごいのね…もう私も帝国の人間になったみたいだ。
赤司「城の中にいるからといって安心はするな、反乱を企んでいる盗賊は一筋縄ではいかない相手だ。」
貴女「…わかったわ。」
赤司「本当に気をつけろ…」
気にするなと言っていた割に彼はすごく気にしているようだ。それに今日の赤司君はすこし怖い…ような気がする。愛を囁かれたあの夜のことが嘘であったかのような態度だ。
話の終わりを感じ取りドアの方へ向かうと彼は私に近づき手を絡めた。
赤司「#NAME1#…」
赤司君の手は氷のように冷たい…
貴女「大丈夫よ、帝国の人たちは強いもの。それは…私がよく知ってる。貴方がそんなに気にかけるなんて珍しいこともあるのね…」
赤司「フッ…そんなことはない。」
貴女「…そう、それならいいんだけど。 私のことは心配しなくてもいいのよ。私は…ただの囚われの身だから……」
そうだ…私は帝国の王女と認めたわけではない。ここにいることが当たり前なんて思っちゃダメなのよ…
赤司「おい…」
貴女「それじゃ…私は帰るわね。」
絡めた指を私はスルリとほどき部屋を後にした。
(…あんなこと言うつもりなかったのに)
私は後悔しながら歩き出した。その後悔がこの先もっと重たくなるなんてその時は知る由もなかった。