【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第16章 逆襲
また晴れたいつもの朝がやってきた。
だが、部屋の外が何やらいつもより騒がしく騎士たちの声がよく聞こえる。
その話の内容はよく聞き取れないが赤司君の話らしい…
最近彼のことを考えると胸が苦しくなる。長い夜を過ごしたことが原因か、あるいはその時に見せたまるで別人のような赤司君を見てしまったからなのか…あの夜を思い出すと心臓が高鳴る。
この気持ちは…いや、赤司君の過去を知って同情しているだけなのかもしれない…
自問自答しながらいつものように勉強をするため図書室へ向かう。
その道で実渕さんに出会った。
実渕「あら!おはよう。」
貴女「実渕さん!」
実渕「ごめんなさいね、騒がしいでしょう?後で注意しておくわ!あっそうそう!征ちゃんが貴女を呼んでたわ。」
赤司くんが?
貴女「あ…そ、そう!わかったわ、伝言ありがとう」
私は実渕さんの伝言を聞き、階段へ戻る。
実渕「もうすっかり帝国の姫ね。この先もずっといてくれたらいいのに。」
そう言った実渕さんの言葉は届かず、先を急いだ。
in執務室
この部屋へ赴くのはあの夜以来だ。
あの日から赤司くんの顔すら見ていない。
…少し緊張する。私は戸惑いつつもノックをした。
貴女「#NAME1#よ…」
赤司「あぁ、入れ」
ドアの向こうから赤司君の声が聞こえ、1つ深呼吸をして重いドアを開く。
貴女「実渕さんから伝言を聞いて来たわ」
赤司「#NAME1#、待っていたよ」
視線は合わせずに赤司くんはいつもの椅子に座りチェスを一人でしている。
赤司君の部屋は彼の香りがして私の顔は何故か熱く火照ってくる。
貴女「それで、どうしたの?」
赤司「身体は大丈夫か?」
あの日の夜のことを気にかけてくれている言葉に少し驚いた。
貴女「…もう大丈夫よ…」
赤司「そうか、ならいい」
優しいと思ったあのときの赤司君とはちがい、口調がまたもとの彼へと戻っていた。
貴女「…もう、いいかしら?」
赤司「待て、本題はこれからだ。」
いつもと違う感情に早くこの場を立ち去りたくて退出を試みたがそんな努力は報われず、私を引き止めた。そして赤司くんはチェスを置き、私と目を合わせた。