【黒子のバスケ】 囚われ王女と獣の城 【裏夢R18】
第15章 悲恋
ある真夜中、ふと目を覚ました。
外はまだ真っ暗で遠くからフクロウの鳴き声が聞こえる。時計に目をやると3時を示していた。
貴女「はぁ…」
再び眠りにつこうとするが目が冴えてしまい何かを飲もうと小さなランタンを手にキッチンに向かった。
私はお鍋にミルクを注ぎ、火にかけ沸騰するのを待った。
貴女「…ふぁーっ」
ここ最近また眠れない日が続いている…原因はわかっている。帝国の人たちのことや海常が攻めてくることについてだ…
貴女「…いったい私はどうしたいのだろう」
自問自答を繰り返す日々にこうして夜中に起きては眠気を誘う行動をとっている。
貴女「私がいたいと思う場所は……」
そんなことを考えていると鍋の中のミルクが沸々と水泡を作っていた。火を止めマグカップに移しかえるとハチミツを少量掬い、そのままミルクと一緒にかき混ぜた。
マグカップの縁に唇をつけるかつけないかという時に、裏門の扉がギィーっと開く音がした。
(…?誰かしら、こんな時間に…もしかして侵入者!?)
私は怖くなりつつも少し気になりマグカップを置くと音のした裏門へと足を運んだ。
音を立てないように恐る恐る裏門へ近寄ると柱に1つの影を見つけた。私はその影に忍び寄り一気にランタンを持ち上げた。
貴女「っ!!高尾くん!?」
影の正体は高尾くんだったが、その姿は思いがけなかった。
高尾「ん?あぁ、これはこれは姫さんじゃねーの…いっつ…ったく、派手にやられすぎだろオレ…」
彼は左足を引きずり、左足を庇うように右手で押さえ今にも倒れそうな勢いで柱にもたれかけ立っていた。その腕からは暗くてよく見えないが赤い液体が床へポタポタと滴り落ちていた。
高尾「あーあ…やなとこ見られちゃったかなー」
貴女「そんなこと言っている場合ではないわ!今すぐ医務室へ急ぎましょう!!」
私は嫌がる高尾くんの腰を支え無理矢理医務室へと連れていった。