第17章 幸せな時間
(Nサイド)
「おーい、智くん。昼飯行くぞ~!」
「あっ、待ってよ。しょーくん。」
「何だよ、まだ準備してなかったのかよ。」
「今日は日直だから、教材を片付けに行ってて…。」
「しょうがねぇなぁ。待っててやるから。」
「急ぐね。」
昼休みになると隣のクラスの翔さんは、大野さんを誘いに来る。
「ほら、行くぞ。」
「じゃあ行ってくるね。」
「いってらっしゃ~い!」
そして二人は仲良く中庭に向かう。
「ねぇ、見た見た?翔ちゃんさ、おーちゃん待ってる時の顔がすごーく優しいの。」
「言葉はぶっきらぼうなのにね。」
「照れ隠しかもしれないですよ。」
俺たち…相葉さん、潤くん、そして俺二宮の3人がそんな会話をしてるなんて知らないだろう。
いや、俺たちだけじゃなく、学校中の皆も二人を見守っているんだ。
翔さんと大野さんの纏う雰囲気が、周りを和ませる。
「どう見ても、イチャイチャにしかみえないよね。」
「だな。」
「ですね。」
昼休みにこんな風な会話をするのが、俺たちの毎日の楽しみなんだ。