第16章 眠りのキミ
「ひゃあぁん…な、に…。」
前立腺を掠めたんだとわかった。
少しでも痛みを感じないように、翔くんにも気持ちよくなってもらいたくて、前立腺を掠めながら中心を中に入れていった。
「全部入ったよ。」
「嬉しい…。」
翔くんの中は締め付けがよくて、温かかった。
「翔くん、気持ちがいいよ。」
「俺もだよ、智くん。」
俺は腰を振り続けた。
翔くんも自ら腰を振っているのを感じた。
「んっ…あっ。」
「あっあ…んっ。」
「もう出る…。」
「俺も…。」
俺たちはほぼ同時に白濁を放った。
後処理をしてシャワーを浴びて。
隣でぐったりしている翔くん。
頭を撫でるとうっすら目を開けて微笑む表情がとても綺麗だった。
「智くん…好き。」
寝息とともに発せられるのが嬉しい。
「俺も好きだよ、翔くん。」
どうせなら、起きてる時にも言いあいたいな。
そう願いを込めて、眠っている翔くんの唇にキスをした。
もし翔くんがスーツにキャップという姿で眠っていなかったら、俺たちの関係はどうなっていただろう。
いや、すでに会社の上司として惹かれてはいたから、遅かれ早かれこの関係にはなっていたと思う。
今、俺の隣で安心したようにスヤスヤ眠っている可愛い人。
この寝顔は俺だけしか見れない優越感に浸りたい。
…そうだね、電車の中でこんなに大口を開けてたら、キャップは必要かもしれないな。
END