第90章 My Angel
さっきテーブルに置いた牛乳を二人で半分ずつ飲む。
「大野も牛乳ついてる」
「櫻井さんだって…」
お互いの唇をペロペロしあって。
今はまだ夜中だったね…って、どちらからともなく手を繋いで。
僕たちは再び二人で布団に入ると、手を繋いだまま眠りについた。
翌日、仕事は休みだった。
「大野さ、もし予定がなかったらストラップ買いに行かない?」
二人で洗濯物を干していると、櫻井さんがそう言った。
「はい。実は楽しみにしてたんです、買いに行くの」
「ふふっ、良かった。えっと…俺ね、いいなぁって思うのがあるんだけどさ。まずそれを見に行ってもいいかな」
向かった先はショッピングモール。
「ここだよ」
そこはおしゃれな雑貨屋さん。
「これなんだけど…」
それはシルバーのリングがついてるストラップで、付け替えるとペンダントにもなるものだった。
よく見ると、リングには青のキラキラがはめ込んである。
他にも色違いで赤・緑・黄・紫などがあった。
「綺麗ですね」
「でしょ」
櫻井さんはとても嬉しそうだ。
「コレ、買いませんか?」
「俺に気を遣わなくていいよ、他の見てからでも…」
「いえ、大丈夫です。僕も気に入りましたから。この色、どうですか?」
僕は目に留まった色のキラキラが付いてるストラップを2本、櫻井さんに手渡した。
僕の5㎝の奇跡には、リングに青いキラキラがはめ込んであるストラップ。
櫻井さんのは、色違いの赤色。
キラキラは大きくはないけれど、櫻井さんには赤がよく映える。
「お揃いのストラップ買った記念、しよ?」
「んふふ。オムライスですか?」
「うん」
「あと何回、一緒にオムライス食べられるかな…ちゅっ」
櫻井さんの背中に口づける。
隆起している背筋は、やっぱり羽みたいだ。
櫻井さん。
綺麗でカッコよくて可愛いくて。
賢くて不器用さんでもあって。
そんなあなたは
…僕の天使。
「大野とはずっと…あんっ」
END