第90章 My Angel
「んっ」
「ふぅ…ん…」
櫻井さんの手がぎこちなく僕の肩を掴む。
「もっと…」
と自らも顔の角度を変え、舌を絡めてきた。
「んっ、はぁ…」
厚みのある柔らかな櫻井さんの唇。
耳が擽られるような息づかい。
ここが浴室の中だからかもしれないけど、響く声と狭い空間に興奮が増していく。
キスだけでも気持ちがよくて、イッてしまいそうだ…
そう思った時、熱くなる体とは逆に浴室内が冷え始めてきたのを感じた。
「部屋に…」
一旦唇を離す。
名残惜しそうに僕を見る櫻井さんの表情がすっごく可愛くて。
「またすぐしてあげるから」
自然と出てきた甘い言葉に、自分でも恥ずかしくなった。
櫻井さんの手を引いて、僕の部屋に入る。
本当にいいの…?
言葉にはできずに櫻井さんを見つめる。
そんな僕の気持ちを察したのか、
「好きだよ」
櫻井さんがちゅっ。とキスをしてくれた。
胸がじわっと熱くなって。
やっぱりこの人には敵わないなって思う。
「僕は大好きですから」
壁に櫻井さんを縫いつけて、再び熱いキスを交わした。
お互いの中心が時々当たる。
櫻井さんのも勃ってる…
同じように反応してることが嬉しい。
キスをしながらTシャツを脱ぎ捨てると、バチっと不意に目が合った。
それが合図のように、敷いてあった布団にゆっくりと体を沈めた。