• テキストサイズ

キミとボク【気象系BL】

第15章 もしも気づいてくれたなら



チョン…

俺の唇が…先生の唇にわずかに触れた。

それだけなのに、天にも昇る気持ちになった。

ちょっと触れただけだけど、先生の唇はムニッと柔らかかった。

少し触れただけではキスとはいえない、という人もいるかもしれない。

だけど…たったそれだけでも俺は十分に満たされた。

俺は先生の肩に手をおいたまま、唇を離した。

「ん?櫻井?」

「センセ…ありがとうございました。俺…もう胸がいっぱいなんです。」

正直な気持ちだった。



「本当にもう、お前ってヤツは。」

そう言いながら、先生は俺をギュウッと抱きしめた。

「えっ…ちょっ…。」

ビックリしたけど、先生の温もりがジワーッと俺の身体中に広がった。

顔も熱くなってきた気がする。

先生、華奢だけど意外と力があるんだな…。

「センセ…痛いです。」

「お前は本当に可愛いヤツだな。」

先生は俺の顎に手をかけて…ちゅっ。と可愛らしく音を立てたキスを1つくれた。

なっなっなっ…

「センセ…に、キス…された…。」

俺は膝の力が抜けて、床にペタリと座り込んでしまった。

「あははっ。櫻井、大丈夫か?」

先生はしゃがみこみ、俺の頭をポンポンしてくれた。



「センセが好きです。」

「俺も櫻井が好きだよ。」



タレ気味な目と“丸みを帯びた英語のE”に見える口…

俺の絵と同じ先生の顔が再び近づいてくるのが見えて…

俺はそっと目を閉じた。



ありがとう

センセ…

大野センセ…。




END




/ 1027ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp