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キミとボク【気象系BL】

第89章 教室の片隅で


Sサイド

俺の名前は櫻井翔。

高校生活にも慣れてきた5月中旬。

俺はクラスメイトの中に、気になる人ができた。

その人は休み時間になっても、廊下側の一番後ろの席から動くことはほとんどない。

自ら動かなくても、同じクラスの人だけでなく他のクラスの奴らもわざわざうちの教室に来て、その人の側に寄っていく。

その人は目立つような感じではないけど、なんだか人気があるようだ。

みんながワイワイ話しているのを、ニコリとしながら聞いている。

そこにいるだけで、みんなを癒すような雰囲気がある。

ふふっ。

お地蔵さんみたいだな…

そんな風に思った俺は、その人…大野智くんのことを心の中で“地蔵くん”と呼ぶようになった。





それから数日したある日。

いつもの休み時間の光景をひっそりとみていた俺は、チラッとこっちを見た地蔵くんと目があってしまった。

トクン…

何だ、この胸騒ぎは。

俺はどうしたらいいかわからなくなって、咄嗟に地蔵くんから目をそらした。








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