第85章 のぼせ注意報
肉厚のある櫻井の唇の感触と動き、絡み合う舌。
緊張してヘタッピかもしれない、なんてことは全然なくて。
むしろ櫻井がリードしているようにさえ感じる。
俺が櫻井の上にいる状態で重なっている体。
濡れている皮膚は密着度が増し、自然と腰が振れて足も絡んでいく。
体の中心ではお互いのモノが擦れあい、先っぽは濡れはじめた。
ゆっくり離す唇は唾液で光っていた。
息を整えていると、今のこの状況に何とも言えない幸せな気持ちが溢れてくる。
そう思った時…
さっきまでの蕩けるような表情とはまた違う、櫻井の真剣な表情が見えた。
「櫻井…?」
「大野くん」
俺の名前を発した後、櫻井はふぅっと息を1つ吐いた。
「俺…ただ単に片づけの手伝いだけの為に戻ってきたわけじゃなくて…もっと一緒にいたくて…大野くんに触れたくて…」
俺の手を掴むと、櫻井はその手を自分の胸にあてた。
「今、すごく…夢みたいで…だけどもっともっと触れたいし触れてほしい。だから…んっ」
段々と瞳を潤ませていきながら話す櫻井が愛しくてたまらなくなった俺は、もう片方の手を後頭部に回して再び唇を奪った。
「俺、櫻井がほしい」
貪るようなキスをしながらそう言うと、
「嬉しい…」
櫻井の目尻から涙が流れた。
手に触れている櫻井の胸の粒を指で摘まむと、固くなってきた。
「あんっ」
「感じるの?」
コクっと頷く櫻井を見たら、もっともっと触れたくなった。
胸の粒を指で転がしながら、もう片方の粒を口に含みチュウッと吸い上げてみる。
「あ、あんっ」
櫻井は俺の腕を掴み、イヤイヤするように首を左右に振った。
濡れている髪からしぶきが飛び散っていく。
「やめたほうがいい?」
「やめな、いで」
懇願するように言う櫻井は妖艶で。
俺は再び胸に顔を埋め、小さな粒にしゃぶりついた。