第2章 言葉にしないラブレター

授業中。

僕は右肘がキミに当たらないように気をつけている。

うつ伏せのキミは…左肘がなぜか僕のほうに寄っていて。

癖…なのかな、なんて思う。

だけどノートをとるのに集中していると、僕の右肘がキミの左肘に当たってしまう時があるんだ。


コツン…コツン…


あ、当たっちゃった。

…なんて思いつつ、その偶然が密かな楽しみだったりする。


ごめんねって僕が謝ると、こっちを見てくれるキミ。

僕と目が合うと「気にしないで」って、ふにゃんと微笑むキミ。

それが嬉しいなんて、キミには内緒。

だって…キミの後頭部しか見れないなんてさみしいから。




そして今日も。


コツン…コツン…


右肘に熱を感じて。

キミが振り向いて。

キミと目が合って。

ふにゃん、が見れて。


それが僕の幸せ。


…左寄りでうつ伏せ寝するキミに感謝。




END