第78章 夢の続き
俺は膨らんでいる中心をギュッギュッと握った。
その様子を見ていた大野が俺の上から離れていく。
「おお、の…?」
「櫻井さん、そのまま続けてたらスラックスに染みができてしまいますよ…」
大野が俺の手を引いて体を起こした。
「おおの…イキた、い…」
俺はその大野の手を掴み、すがるように言った。
最早、恥ずかしいことを言ってるなんて頭にはなかった。
すると大野はいつものようにふにゃんと微笑み、俺をそっと抱きしめてくれた。
「正直に言ってくれましたね」
「えっ…?」
「櫻井さん、鎧を纏っているっていうか…いつもどこかで構えてるから…」
はじめは何を言われてるのか、わからずにいたけど…
「長男気質で甘えられないっていうか…それが心配っていうか、気になっていって…」
よく考えてみたらたしかにそうかもしれないし、大野がそんな風に思っていてくれたことに驚きを隠せない。
「だけど今日、櫻井さんの可愛らしい一面を見たら胸にくるものがあって…」
大野の頬が赤く染まっていく。
「それに…トイレでその…微かに名前が…嬉しくなって何だか歯止めがきかなくなってしまって…」
俺の肩に頭をくっつけている大野が、耳まで真っ赤にしている。
「だけど色々と強引なことして…ごめんなさい…」
「いや、あの…」
胸の鼓動が早くなる。
「謝らないでいいから…ビックリはしたけど、俺も大野のギャップに惹かれたっていうか…」
「櫻井さん…」
顔を上げた大野が潤んだ綺麗な瞳で真っ直ぐ見てくるから、じわじわと愛しさが込み上げてくる。
引かれ合うように、俺たちはどちらからともなくキスをした。
見つめあってはクスクス笑ってキスをして。
淡い恋の始まりのような擽ったい気持ちになった。