第72章 実りの秋
翔くんのナカから中心を抜く。
愛しい翔くんをギュッと抱きしめ、呼吸を整えながらしばらく余韻に浸った。
「さとしくん…」
甘い声で呼ばれ、翔くんに視線を向けると…赤いぷっくりした唇が近づいてきて、ちゅっ。と可愛らしいキスをされた。
「ふふっ。そんなことして…まだ足りなかった?」
「キス、したくなったの…」
ズクン、とまた疼いてくるけど…
「身体、拭かないとね」
俺は枕元に置いていたタオルで、翔くんの身体を丁寧に拭いてあげた。
「ごめんな、ナカに放って…」
そのままにしていると、翔くんがお腹を壊すかもしれない。
「心配してくれてありがとう」
翔くんもゆっくり身体を起こした。
「大丈夫…?」
ヨロヨロしながら立ち上がる翔くんの手を取り、俺も一緒に立ち上がった。
「ここね、紅葉が綺麗だから智くんと一緒に来たかったのもあるんだけど…角部屋にはね、部屋風呂が付いてるの」
「えっ、気づかなかった…。この時間だと隣の部屋に迷惑かからない?」
もう零時近くになるから、シャワーの音が隣に響いたりしないか気になる。
「それは大丈夫だと思う…」
そう言って、翔くんは俺にピタッと抱きついてきた。
「お風呂ね、隣の部屋に面してないほうにあるから…。だからね、この部屋を選んだんだし…」
照れ隠しなのか、翔くんは俺の胸でモゾモゾしている。
「…ってことはさ、こうなることまで想定して?」
「そりゃあ…ね、…恋人だから…1周年の記念だし…」
顔を上げた翔くんが、ニッコリと微笑んだ。