第11章 love trip
タイミングよく、相葉ちゃんからメールがきた。
“翔ちゃんの体に何か起きてない?
赤いチョコは何かしら変化を起こすけど、効果は20時間だってさ。
チラシに小さく書いてあったから教えとくね。
じゃあ楽しんでね~!”
チラシめ、大事なことは大きく書けよ…。
相葉ちゃん、ありがとうね。
「しょーくん、20時間で元に戻れるって。」
「ほんと…?」
パァ~っておっきな目をキラキラさせて。
その格好でそんな表情なんて可愛すぎるでしょ。
あぁ、抱きしめてチューしたいけど…。
「た、たとちくーん!」
「うぉっ?!」
しょーくんが俺の胸めがけて突進してきた。
意外と力があるのにはびっくりしたけど、ピトってくっついてるし服をギュッと掴んでる手が可愛いし…いろんな意味で破壊力バツグンだよな。
「たとちくん…。パ、パ、パンツ…作れる?チューチューちてて。」
チューチュー…?
あ、そうか。
スースーね。
えっと…
パンツの代わりになるもの…
あった!
ティッシュペーパーを細く折って、足を通すとこをくり貫いて…できた!
「しょーくん、慌てなくていいから、ゆっくり足を通してね。」
ティッシュが破れないよう、そーっと足を通すしょーくん。
ふふっ、そこまで恐る恐るじゃなくて大丈夫なのに。
「できた!」
俺はティッシュの端をきつく結んであげた。
グゥ~ッ。
キュゥ~ッ。
お互いの腹が鳴った。
気づけばお昼近くになってて。
昨日作っておいたシチューを温めたけど、小さいスプーンでもしょーくんが持って食べるのは無理そうだから、スプーンの先にすくって俺が食べさせてあげた。
あーんってする度に照れてるし、「ちゅごく美味ちいね」って両頬に手を当ててるし。可愛さ半端ねぇや。
「たとちくん…。」
「ん?」
「戻れるよね。」
「大丈夫。戻れるよ。俺がついてるからね。」
「たとちくん。」
「ん?」
「戻れたらた、抱きちめてね。」
「いいよ。」
「チューもちようね。」
「うん。」
しょーくんも同じ気持ちなんだな。