第66章 2017*9*15
結成から年数が経つにつれて、自分たちだけではなく、周囲の人たちの当時の思いを知る機会が増えていく。
俺たちも含めて、それぞれが葛藤していたんだと…胸にくるものがあるんだ。
「しょぉくん」
「ん?」
「しょぉくんがいてくれて良かった」
「あはっ。ありがとう」
「あいばちゃんも、にのも、まちゅじゅんも」
「みんなも、智くんがいてくれて良かったって思ってるよ」
「うん」
俺たちは暫く空を眺めていた。
「しょぉくん、みんな起きてこないね」
「うーん…起きてるとは思うけどさ。それぞれ思いに耽ってるんじゃないかな」
「そうなの?まだ出てこない?」
「たぶん…何?どうしたの?」
「しょぉくん…」
あなたは潤んだ瞳で俺を見るんだ。
「抱いて…しょぉくん」
「いま…から?」
「うん。しょぉくんにね、暖めて欲しくなっちゃったの」
「いいよ。だけど俺の部屋は…」
「あいばちゃんに聞こえちゃうもんね」
「ちょっ、さ、智くん…」
「んふふ。おいらの部屋に…行こ」
智くん。
素直で繊細なあなた。
だから…
俺たちなんだと思う。
そっとドアを閉めてくれたメンバー。
みんなもあなたの気持ちがわかるから。
もちろん俺にとっても、大切なメンバーたち。
「あっん…しょ、く…。もっとはげしく…」
「さと、し…」
俺は俺にしかできないことを。
END