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キミとボク【気象系BL】

第64章 秋がくると。



「来週末からね、また出張に行くんだ。」

「どれくらい?」

「4〜5日かな。」

「さみしいなぁ…。」

口を尖らせて拗ねてみた。

「ふふっ。そんな顔しないの。」

俺の唇に、しょーくんの唇が重なった。



翌日仕事から帰宅すると、ドングリと紅葉が幾つか入っている袋がテーブルの端に置いてあった。

「しょーくん、コレどうしたの?」

「俺も懐かしくなって拾ってきた。何かさ、作品作ろうよ。」

「んふふ。実はさ…。」

ビジネスバッグからドングリと紅葉の入った袋を取り出した。

「あはははは。」

「あはははは。考えてること同じ。」



出張に行く前に、しょーくんはあの時と同じ

『ぼくのドングリまなことちっちゃな手』

を作ってくれたんだ。

うん。

やっぱり好きだな、これ。

だけどね…

しょーくんには話してないけど、俺ね、あの日からずっと3人に嫉妬してたんだよ…実は。



そして今、俺は1枚だけ拾っていた銀杏の葉を手にしている。

他のに比べて、ハートの形っぽかったんだ。

一応しょーくんには許可を得てるんだ、1つ加えてもいいって。

…どこにとは言ってないけど。

「おっ。大きさバッチリじゃん。」

俺はある部分にその銀杏の葉を貼り付けた。

お股のとこにハート。

ここを知ってるのは、俺だけなんだから…なんてね。





「智くんただいまぁ…って…えっ?」

「んふふふふ。お帰り、しょーくん。いいでしょ、コレ。」

「うん…悪くないと思う。」

「良かったぁ。」

「だけどさ、もうちょっと大きめでも良かったんじゃないかな、智くん。」

「そう言うなら、大きさ確かめさせてくれる?」

「もちろん。」




タイトルは二人で考えようね、しょーくん。






そしてまた

秋の思い出が増えていく。







END


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