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キミとボク【気象系BL】

第63章 キミって…



夏休みが終わり、学校がはじまって3日目。

浮き足だっていたクラスメイトたちも、徐々に落ち着きを取り戻してきた。

そんな中、俺は担任に呼び出された。

「櫻井。放課後、先生の所に来るように。」

…俺、何かしたっけ?

何度考えても呼び出されるようなことをした覚えがない。

放課後モヤモヤしたまま、俺は職員室に向かった。



担任の所に行くと、クラスメイトの大野智くんもそこにいた。

大野くんとは会話はするけど、友達っていうほどではない。

俺と目が合うと、大野くんはふにゃんと笑った。

その笑い方、初めて見た気がする。

可愛い。

大野くんは男なのに。

トクン、と胸のときめきを感じた。



「夏休み前に先生が言ったこと覚えてるか?もし宿題を提出できてない人がいたらどうなるかって。」

先生が言ったこと?

1ヶ月ちょっと前の記憶を呼び起こす。

……あっ!

「まさか…。」

「おっ。流石だな、櫻井。」

嘘だろ…?

俺はゆっくり大野くんに視線を向けた。

「ごめんね、櫻井くん。」

そう言いながら大野くんは、少し背の高い俺の顔をのぞきこんだ。

めちゃくちゃ可愛い。

そんな潤んだ瞳で見つめるなって。

でもどうして宿題を提出してないんだよ…。

まだまだ暑いというのに、中庭の草むしりだぞ。

はぁ…。

俺は色んな意味で大きなため息をついた。






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